妊娠中の約9ヵ月、一度も遠出しないという人は少ないでしょう。
帰省、何ヵ月も前から予定していた旅行、やってみたかったマタ旅など…飛行機に乗る機会がある人も多いと思います。
私も、妊娠超初期に飛行機に乗って流産しないのか?被曝による奇形のリスクは?などいろいろと不安もありましたが、関東から九州の実家へ妊娠中何度も帰省したので、妊娠初期から後期の里帰りまで飛行機に10回ほど乗りました。
妊婦さんが飛行機に乗る際に気をつけることや機内で快適に過ごす方法
妊娠初期から後期までの期間別注意点をまとめてみました!
(国内線の利用を想定した記事です)
妊娠中 飛行機にはいつまで乗れる?
国内の航空会社では各社の規定により、出産予定日から28日前までは「申請なしで」飛行機に乗ることができます。
28日以内になると申請や医師の診断書が必要です。
細かい規定は航空会社によって異なるので確認しましょう。
以下に主な航空会社の妊婦さんへの案内ページをまとめました。
・JAL(日本航空) ママおでかけサポート
・ANA(全日空) 妊娠中のお客様[国内線]
・スターフライヤー ご妊娠中の方
・スカイマーク お手伝いの必要なお客様(妊娠されているお客様へ参照)
・AIR DO ご妊娠中のお客様
・フジドリームエアライン ママ・ドリームサポート
・ジェットスター 妊娠中/新生児を連れてのご搭乗について
・ピーチ 妊娠中やお子様連れのお客様
申請不要でも申告はする
妊娠9ヵ月目に入るまでは申請は不要な航空会社がほとんどですが、妊娠中であることと出産予定日を搭乗前にカウンターのスタッフに申告しておきましょう。
席番号などを確認され、クッションやブランケットをあらかじめセッティングしてくれたり、荷物の上げ下ろしをお手伝いしてくれたりと手助けをしてもらえます。
航空会社によってはチケットを取る時に申告することもあります。
JALはチケット取得の際に申告していない場合、搭乗前に必ずカウンターに申し出するように案内があります。
ANAやAIR DOではマタニティタグのプレゼントもありますよ。
AIR DOのマタニティタグはとってもかわいいです*°
手荷物は最小限に!大きい荷物は預ける
機内に持ち込み可能な大きさのキャリーバッグはもちろん、お土産類や傘1本でさえも妊娠中は預けてしまうのが得策です。
持ち込みする手荷物はハンドバッグひとつだけにしておくと、荷物の上げ下ろしをしなくていいのでとてもラク。
航空会社によっては会員ランクによって到着時に荷物を優先的に出してくれるサービスもあるので積極的に利用しましょう。
妊婦さんは保安検査場のゲートをくぐれるの?
搭乗時に金属探知のゲートをくぐりますが、これは磁気を使用しているので基本的には妊娠中でも問題ありません。
中には「手荷物検査場に妊婦さんは申し出てください」という張り紙をしている空港もあります。気になる場合は申し出ましょう。
係員の方が手作業で金属探知してくれます。
国際線の場合はX線検査をともなうこともあるのでご注意ください。
妊婦さんが飛行機で放射線を気にする必要は?
飛行機に乗ると地上にいるときよりもあびる放射線量が多くなります。
妊婦さんが飛行機に乗った場合に放射線が赤ちゃんに影響はないのか気になりますね。
特に妊娠初期は赤ちゃんの奇形などを気にする方も多いようです。
飛行機に乗った際の被曝量はごくわずかで、胎児に奇形を起こす可能性はとても低いので安心して搭乗しましょう。
妊婦さんにオススメの搭乗方法・座席の取り方
優先搭乗をうまく利用する
ほとんどの航空会社で妊娠中は優先搭乗が可能です。
他の乗客よりも早く機内に入れるので焦らずゆっくりと荷物を収納できます。
他に人がいないのでCAさんもいろいろと気を配ってくれて安心です。
機内は狭いので人がたくさんいる状態では、特に妊娠後期はお腹を何かにぶつけてしまう危険があります。
早めに手続きをして優先搭乗することをオススメします。
優先搭乗と座席指定のポイント
妊娠中のフライトで座席はとっても重要なポイントです。
適当に選ばずに自分に合った場所をじっくり考えて指定しましょう。
実は優先搭乗をすると座席の面で少し不都合もあります。
座席が通路側の場合は後から入ってきた人のために何度も立ち上がる必要があるので妊娠後期は特につらいです。
かといって窓側だとトイレに行きたいときや気分がすぐれない時にすぐ立ち上がることができません。
そのときの週数や自分の体調に合った座席選びと搭乗方法を考えましょう。
トイレの心配がなければ優先搭乗+窓側席が良いですし、通路側に座りたい場合は人が少なくなってきた最後のほうに搭乗するのもアリです!
ちなみに私は通路側派だったので、荷物はすべて預けて最後のほうにゆっくり搭乗することも多かったです。
オススメの座席は最前列
航空会社によっては最前列はクラスが違ったりしますが、そうでない航空会社もあります。
最前列は荷物を足元に置くことができないのが難点ですが、他の座席よりも足元が広いので足を伸ばすことができてゆったりと過ごせます。
・トイレが近い
・CAさんの座席が近い
・ドリンクサービスがいちばん早く来る
・機内から早く出られる
最前列にはメリットがたくさんです。
人気があるので取れないことも多いので取れたらラッキー☆
機内での過ごし方
機内ではなるべく快適に過ごせるように工夫をしましょう。
音楽を聴いたり本を読んだり、オフラインでも見られる動画をダウンロードしておくのがオススメ。
妊婦とはいえ特別なサービスはありませんので、自分で体調を管理しながらストレスを感じることのないように…
機内での必須アイテムは?
個人的にマスクは必須かなと思います。
感染症の予防だけでなくニオイをシャットアウトするためです。
くつを堂々と脱いで足をあげるオジサンが隣に座る可能性もあります(なぜか私はよく遭遇する)。苦手な香水をまとった人がいるかもしれません。ドリンクサービスのスープのニオイも結構きついです。
機内は狭いので気になるニオイがあったとき逃げ場がありません。
特につわり期はニオイが辛くなるのでマスクがあると精神的にも安心します。
そのほかにも、エチケット袋やちょこちょこ食べられるおかしなどもあると安心です。
体が冷えないように気をつける
妊娠中はホルモンバランスの変化で体が冷えやすくなります。
妊娠中の冷えはつわりを悪化させたり、お腹が張りやすくなったりと危険を伴います。
腹巻をする、靴下をはく、ブランケットを用意するなど冷え対策を整えましょう。
機内は冷房がききすぎていることもありますので、夏でも注意が必要です。
くらしきぬのはらぱんやレッグウォーマーがシンプルなのにあたたかくて、肌触りも良くとてもオススメ。締め付けもなく楽につけていられます。
エコノミークラス症候群に注意する
妊娠中は血液量が増えることや血液を凝固する作用のある分泌物が増加するため、血栓ができやすくエコノミークラス症候群を発症する危険性が高くなります。
エコノミークラス症候群とは
窮屈な姿勢を長時間続けることで血流が悪くなって血栓ができ、その血栓がはがれて肺に詰まった場合、胸の痛みや呼吸困難を起こして最悪の場合死に至る症状を言います。
4時間以上の長時間フライトで発症しやすくなるといわれています。
対策としては
- 同じ姿勢を続けず足を動かしたり歩いたりする
- 血液がどろどろになるのを避けるため水分をとる
- ゆったりした服装をする
ことなどがあります。
着圧ソックスをはくことも推奨されています。
妊娠中はむくみやすいのではいておくと良いですが、それだけではケアにならないので注意。足を動かすのが一番です。
気圧の変化で貧血になることがある
特に妊娠初期は貧血の症状が出やすくなります。
気圧が変化することで貧血になることがあるので注意が必要です。
私は貧血持ちなのですが、妊娠していない時に1度だけフライト中に貧血になりました。でも貧血ってどうすることもできないのが現実なんですよね…
立ってないので倒れることはないですが、座ったまま失神してました。すぐに目が覚めましたがこわかったです。
貧血の心配がある方は先生に相談し鉄剤などを処方してもらうのも手かもしれません。
到着後のことも考えておく
機内で快適に過ごし無事到着したのはいいものの
あとのことを考えずに大荷物で途方にくれるなんてこともありますので(やったことある)
到着後にどうやって目的地に行くかも忘れずに考えておきましょう。
安心なのは、自家用車やタクシーを使うことです。
公共交通機関は電車よりもバスがオススメ。
どちらにせよ無理をせず、座席に座れそうな曜日や時間帯を選ぶと良いと思います。
それとあまり大荷物にならないように…
妊娠期間別の注意点
ここからは妊娠期間を「初期」「中期」「後期」にわけて注意点などを見ていきます。
どの時期にも言えることは以下のとおりです。
・無理をしない
・体調がすぐれなければ迷わずキャンセルを
・産院の先生の意見を聞く
妊娠初期(妊娠15週まで)
妊娠初期は胎児の状態も母体も不安定な状態にあります。
長時間のフライトは避けたほうがよいと思います。
またつわりが辛い時期ですね。乗り物酔いをする方はさらに辛いかもしれません。
搭乗することは可能ですが体調不良を起こすことが多い時期なので、無理は禁物です。
流産の可能性が高い時期でもあります。
フライトについては必ず産院の先生に相談し許可をもらいましょう。
ただ、飛行機に乗ったからといって流産しやすくなるわけではありません。
気圧の変化や揺れなどが流産の可能性を高めるという研究結果はありません。フライト自体が胎児に悪影響を及ぼすことはないと産院の先生にも言われました。
妊娠に気付かずに飛行機に乗ってしまった!と心配する必要はないですよ。
私は妊娠初期に4回飛行機に乗りましたが、やはりつわりが辛かったです。
吐きづわりではなかったのですが、一度飛んだら逃げられないという閉塞感でいつもよりも気分が悪くなったり…眠れればいいんですがなかなか眠れないんですよね。
必死に別のことを考えて時間を過ごしました。
音楽を聴きながら脳内ライブをやったり。
妊娠中期(妊娠27週まで)
妊娠5ヵ月~7ヵ月までは安定期と呼ばれる、妊婦さんの体調が比較的安定している時期です。
妊娠初期よりはずっとフライトも楽になります。
まだおなかもそこまで大きくないので体の自由もききますね。
旅行をするならこの時期がオススメですが、無理は禁物です。
また切迫早産などの起こりやすい時期なので可能性のある方は先生の指示をあおぎましょう。
妊娠後期(出産予定日28日前まで)
里帰り出産をする場合この時期に飛行機に乗ることが多いと思います。
この時期はおなかが大きくて重くて狭い機内では体の自由がききません!
座ったままの姿勢が辛い時期です。おしりや腰に負担がかかる時期でもあります。
また、後期はお腹が張ることが増えてくるので注意が必要です。
妊娠後期のフライトはある意味初期より辛かったかもしれません。
とにかく座り姿勢がきつかったです。リクライニングを少し倒すと楽になります。
妊娠期間中の飛行機は細心の注意を払って
私は初期・中期・後期すべての時期で飛行機に乗りました。
幸い体調不良を起こすこともなく、妊娠への影響もありませんでした。
体調管理をしっかりとして産院の先生に相談しながら無理をしなければ、妊娠中でも安心して飛行機に乗ることができますよ。
リスクも知ったうえで、快適な空の旅をお過ごしください!