赤ちゃんが生まれた後の大変な仕事のひとつに予防接種がありますよね。
なにしろ接種する数が多すぎてスケジュール調整や予約は面倒だし、問診票は手書きで同じ内容を何枚も書かされるし(早くデジタル化すればいいのに…)
赤ちゃんを病院に連れて行くのも大変だし、注射が怖くて痛くてギャン泣きの赤ちゃんをなだめるのも大変だし、副反応はこわいし…
こうして書きだしたらキリがないくらい予防接種は親子ともども本当に負担が大きいです。
だけど赤ちゃんの健やかな成長のためには必ず接種しておかなければなりませんね。
息子5ヶ月19日目 BCGを接種してきました。(四種混合との同時接種です)
他の注射に比べて少し特殊なBCG予防接種ですが
副反応のことや接種箇所の経過についてなど病院で一切の説明がなく質問も受け付けてもらえなかったため調べてみました。
(4ヶ月健診とは違う病院です)
BCG接種後の副反応や経過についてまとめていきます。
これから接種予定の方のお役に立てますように!
BCG予防接種とは
まずBCGとはどういった予防接種なのかについて説明します。
そんなの知ってる!という方は読み飛ばしてくださいね。
BCGは結核を予防するワクチン
BCGは結核予防の生ワクチンです。
上腕にワクチンを塗布し、その上から剣山状のスタンプのような針を押し付けて接種します。
接種した部分はそのまま自然乾燥させます。息をふきかけたり、あおいだりしてはいけないとのこと。息子の場合は10分程度で乾燥しました。
ワクチンが上腕外側以外の場所や傷などに付着すると、ケロイドなどが起こることがあるため乾燥するまでは赤ちゃんを押さえていなければなりません。
赤ちゃんだけでなく、お母さんの皮膚にも絶対に付着しないように気をつけるよう言われました。
病院の先生によると注射自体はそんなに痛くないとのこと。
私の時代は学校での集団接種だったのですが確かにあまり痛くなかった覚えがあります。
ただし、赤ちゃんが一番泣くのがBCGだそうです。
理由は、針を強く押し付けられることに驚くことと、乾燥させるために押さえられるのを嫌がる赤ちゃんが多いため。
息子も普通の注射は打ち終わるとすぐに泣き止むのですが、BCG接種後は乾燥中狂ったように泣き続けました…
BCGの効果について
厚生労働省によると、乳児期のBCG接種で結核の発症を52~74%程度
重篤な髄膜炎や全身性の結核に関しては64~78%程度予防することができるとのことです。
また、一度BCGワクチンを接種すれば10~15年程度効果が続くと考えられています。
BCGの接種時期
1歳になるまでに接種することとされていますが、標準的な接種期間は生後5ヶ月から8ヶ月です。
平成17年以前は4歳まで、平成17年以降は生後6ヶ月までに接種とされていましたが、平成24年から1歳までに変更となっています。
生後半年までとされていた時期、生後3~4ヶ月でBCGを接種した乳児の骨炎の副反応が増加したことにより接種推奨期間が5ヶ月~8ヶ月となったそうです。
(実際、低月齢でBCGを接種したことが骨炎の増加につながったかどうかはっきりとはわかっていないとのこと)
BCGを受けるときの服装は?
上にも書いたように、BCGは接種後ワクチンを乾燥させる必要があります。
そのため、いつもの予防接種よりも腕を出しておきやすい服装がオススメです。
息子のBCG接種時の服装は
- 前開きのロンパース(長袖)
- 前開きのカーディガン
- ズボン
上下セパレートにしました。上半身は裸にするよう言われたため、上着だけ脱がせることができてセパレートは便利が良かったです。
カバーオールなどでも問題ないと思います^^
Tシャツやトレーナーなどは着脱が面倒なので避けたほうが良いかもしれませんね。
冬は乾燥の間寒いかなと思いましたが、暖房のきいてない病院は少ないと思うので心配ないかもしれません。
むしろ泣きながら暴れて汗をかいてました…
おくるみがあってもいいかも!
BCG予防接種の経過について
BCGは接種後、注射した場所に時間経過とともに反応が起こります。
接種後10日後ごろから接種箇所に赤みが出て針の跡が見えてきます
↓
接種後4週ごろに反応が最も強くなり、膿をともなうこともあります
↓
接種後3ヶ月程度で傷跡化します
和歌山市感染症情報センターのHPに掲載されている画像がとても分かりやすいのでお借りしました。
出典:http://www.kansen-wakayama.jp/pdf/Epson_1150.pdf
逆に言うと、接種後10日前後経たなければ針の跡は見えてこないということです。
接種直後から接種箇所が腫れたりしている場合は「コッホ現象」が考えられます。
コッホ現象とは
すでに結核に罹患している人にBCGワクチンを接種した場合、上記のような赤みや腫れが10日以内(多くは3日以内)に発生する症状を「コッホ現象」といいます。
コッホ現象が現れた場合、知らないうちに赤ちゃんが結核に感染している可能性があるため、すぐに病院で結核の検査を受けるなどする必要があります。
接種後3日以内に急激な反応があった場合は医療機関へ連絡しましょう。
また、コッホ現象で起きた反応はあまり日を置かずに治癒していきます。
接種痕を経過観察するためのシートを和歌山市感染症情報センターが提供しています。
これは便利!
コッホ現象の発見に役立ちそうです!
こちらのPDFではコッホ現象の経過を写真付きで説明しています。
BCG予防接種の副反応について
これまでにも書いてきたように
接種箇所の反応は経過とともに「赤み」「しこり」「腫れ」「かさぶた」と遷移します。
少し強い反応には「膿をともなう水疱」があります。
副反応が出ても絆創膏を貼ったり、包帯を巻いたり、ガーゼをあてたりせず清潔を保ちましょう。
いったん傷跡になった箇所にこんな副反応が起こることがあります
再度じゅくじゅくと膿む
潰瘍化する
針痕が拡大する
針痕が融合してケロイドを生じる
*酷い副反応については医師に相談
主に接種後1~3か月後にこんな副反応が起こることがあります
わきの下のリンパ節が腫れる
→放置しても接種後6ヶ月までには自然消滅する
*化膿した場合などは医師に相談
ごくまれに生じる重篤な副反応は以下のようなものです
アナフィラキシー症状(ショック症状・じんましん・呼吸困難など)
全身性のBCG感染症
骨炎(骨髄炎・骨膜炎)
皮膚結核様病変
厚労省によると、平成25年度に接種した約90万人のうちBCGワクチン接種に関する副反応報告数は174件で
リンパ節の腫れが74件、皮膚症状が40件、骨炎が10件、全身性のBCG感染症が2件報告されているとのことです。
国際的には、BCGワクチン接種後に骨炎等が発生するリスクは3,300~108回接種して1回程度であるとされています。
出典:厚生労働省
BCG接種箇所になんの反応も起きない場合
BCGを接種しても針痕に何の反応も起きない場合があります。
この場合ワクチンがうまく接種できていない可能性があるため、医師に相談しましょう。
予防接種から半年~1年以上経過後にツベルクリン検査を行い
予防接種が有効であったかどうか確認をすることになります。
BCGと四種混合の同時接種はできる?
BCGを5ヶ月で受ける場合、四種混合の3回目と時期がかぶることが多いと思います。
私の受診した病院では同時接種が可能でしたが、断られる病院もあるようなので事前に確認が必要です。
(私が受診した病院によると同時接種することについては特に健康などに問題はないとのことでした)
BCGは生ワクチンのため、接種後27日間は他の予防接種が受けられなくなります。
もし他の予防接種と別日に受けようと考えている場合は注意が必要です。
BCG予防接種が廃止になる日がくる?
今回BCGの予約をしたときに看護師さんから「BCGは中止検討中なのよ~」と言われました。
予防接種の予約したら言われたけどBCGって中止検討中らしいね〜。昔の慣習もあってやり続けてきたけど赤ちゃんの結核患者がほとんどいないから、効果含めて打つ必要あるのか研究しなきゃダメだよね〜って2016年ぐらいから言ってるらしい。3年経ってるけど?
— caoru * 🧸5m (@zzca_o) 2019年12月18日
中止検討しているなら痕が残るし打ちたくないよな…と思い気になって調べたところ、2016年に厚労省が接種中止も視野に指針改正をするというニュースが出たようでした。
乳幼児の結核罹患者の減少や国際的に見ると結核のハイリスク者のみに接種をしている国が多いなどさまざまな理由から中止が検討されたようでした。
しかし実際に改正した指針には、接種の中止については言及されていません。
乳幼児の結核患者が減少しているとはいえ、目標値までは減少しておらずまだ中止を決定できない現状があるようですね。
しかし海外ではハンコ注射でのBCG接種はあまりない(日本だけという話も)そうで、接種の見直しがある日も来るかもしれません。
BCG予防接種まとめ
BCGは発熱などの副反応が少ない代わりに皮膚への反応が大きく、接種から3ヶ月間は経過観察が必要とわかりました。
ちなみに接種翌日の息子の腕はこんな感じです。
痕はほとんどわかりません。
BCGの副反応については特に敏感になる必要はないでしょうが、お風呂のたびにチェックしてあげようと思います。
以上、BCG予防接種についてまとめてみた!でした。